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2024年3月期連結会計年度の連結業績および経営状況に関するご報告

2024年3月期連結会計年度の連結業績および経営状況に関するご報告

 株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
 本日当社は、2024年3月期連結会計年度の連結業績および各事業の概況について発表いたしましたので、概要を以下にお知らせいたします。

  代表取締役社長執行役員
      中野 賀津也

1.2024年3月期連結会計年度の連結業績

  1. 当連結会計年度の経営環境
     まず管材システム事業についてですが、基幹製品に関連する国内の設備投資が全体として前期と比較し落ち着きを見せつつあります。海外においては、電子産業関連の工場建設需要が引き続き伸長した一方で、ダイマトリックス製品に関連する半導体製造装置市場においては、前年度後半からの需要低迷が継続しました。
     次に樹脂事業においてですが、電子材料製品に関わる半導体デバイス市場にて、前年度下期後半からの市場の低迷が継続しました。素形材製品に関連する市場の自動車生産台数は、堅調に推移しました。また発泡材料製品に関連する国内のマンション住宅着工件数については前年度に比べ若干減少傾向にありました。

  2. 連結経営成績および配当金
     売上高および各利益は、海外販売および電子産業関連工場建設向け販売が増加したことにより、過去最高となりました。
    売上高     874.3億円 前年同期比  +103.3億円(+13.4%)
    営業利益     155.8億円 前年同期比    +36.3億円(+30.4%)
    経常利益     160.8億円 前年同期比    +39.4億円(+32.4%)
    親会社株主に帰属する当期純利益     113.8億円 前年同期比    +19.6億円(+20.8%)

     配当金につきましては、期末配当金は1株当たり50円にすることといたしました。これにより、年間配当⾦は、1株につき100円となります。
     なお、本件は2024年6月21日開催予定の第 103 期定時株主総会に付議する予定です。


    2.各事業の概況

    1. 管材システム事業

      <樹脂バルブ、パイプ、継手およびエンジニアリング事業等>
      ●耐食問題の解決と樹脂管材の機能性を追求した製品開発によりお客様のお役立ちに注力した営業活動を推進
       ・ 国内の樹脂バルブ等の基幹製品の販売は、旺盛だった設備投資が当下期からは全体的に落ち着きが見られ、市場の需給バランスが回復
       ・ 海外では、米国においては、半導体の工場建設に伴う需要は落ち着きつつも底堅く継続しており、中国においては、電子産業関連の工場建設に関わる設備投資に伴う需要が継続
       ・ 樹脂配管材料等を用いたエンジニアリング事業は半導体関連の大型案件の進捗に伴い堅調に推移

        ・ その結果、売上は前年度を上回る

      <半導体製造装置向けのダイマトリックス製品>
      ●半導体製造工程の高度化に対応した小型精密バルブを開発し、半導体の高度化に貢献
       ・ 国内売上は増加したが、韓国における需要停滞の継続、米中摩擦による中国での投資遅延の影響が大きく、売上は前年度を下回る

      <利益について>
       ・ 人件費の増加や原材料価格高騰の影響があったものの、主に海外で売上が増加したことに加え、利益率の高い半導体工場向け仕入製品の販売増や円安の影響もあり前年度を上回る

      売上高  574.6億円 前年同期比  +18.4%
      営業利益   136.9億円 前年同期比  +28.3%
      営業利益率     23.8%
    2. 樹脂事業

      <素形材料製品>
      ●自動車や建設機械等に必要な鋳物製品の製造において、多様な鋳造工程に最適な製品を提案することでお客様へのお役立ちに注力
       ・ 昨年度の原料価格高騰は今年度も高止まりの状況であったが、それに対応した適正価格の販売を実施
       ・ 自動車生産台数は堅調に推移するなか、お客様のニーズにマッチした提案営業を推進
       ・ その結果、売上は前年度を上回る

      <発泡材料製品>
      ●現場施工により最終製品となることから、施工のしやすさに加え断熱材としての性能を担保できる技術向上を推進する等、お客様への安心・安全の提供
       ・ 現場発泡断熱材においては、関東および関西エリアの再開発に伴う大型物件の獲得が好調
       ・ 土木材料は、施工現場に適した製品や工法を積極的に提案
       ・ その結果、売上は前年度を上回る

      <電子材料製品>
      ●半導体デバイス用途に必須となる電子材料の低メタル化技術を追求し、半導体の高度化に貢献
       ・ 国内では引き続き半導体デバイス需要の停滞と販売先における在庫調整の影響を受けたが底が見えつつある
       ・ 中国では液晶をはじめとしたFPD分野の需要が強い状況
       ・ その結果、売上は前年度を若干上回る

      <利益について>
       ・ 当社単独および関係会社の売上増により、全体では前年度を上回る

      売上高     222.7億円 前年同期比 +8.4%
      営業利益       15.3億円 前年同期比   +90.9%
      営業利益率         6.9%
    3. 水処理・資源開発事業

      <水処理事業>
      ●お客様のニーズに基づいた水処理設備や、水資源を有効に活用できる水再生システムの設計・施工を実施
       ・ 官庁および民間工事は共に、工事完工件数の増加や工事が順調に進捗
       ・ その結果、売上は前年度を上回る

      <資源開発事業>
      ●地熱発電の蒸気井などの掘削や温泉開発工事を行い資源の有効活用に貢献
       ・ 温泉開発工事は、計画通りに案件が順調に進捗したが、地熱掘削工事は案件が延期
       ・ その結果、売上は前年度を下回る

      <メンテナンスおよび薬剤事業>
      ●施設や設備の安定稼働のためのサービスや水処理薬剤を提供
       ・ メンテナンス事業は、緩やかな回復基調で推移
       ・ 環境薬剤事業は製品出荷量が増加
       ・ その結果、売上は前年度を上回る

      <利益について>
       ・ 水処理事業における官庁・民間工事、温泉設備工事および環境薬剤事業の売上が増加したことにより前年度を上回る

      売上高    77.0億円 前年同期比 -4.0%
      営業利益   4.9億円 前年同期比 +4.2%
      営業利益率      6.4%

    3.今後の見通し

       2024年度は、国内においては、企業の設備投資計画は底堅く推移している一方、海外においては、地政学リスクの高まりや中国経済の減速等、依然として先行き不透明な状況は継続すると予想します。
       その状況下、当社グループの事業範囲における経済活動は、国内外の半導体分野における工場の新設および増設や半導体製造設備への投資は、半導体生産の自国主義が継続する事から堅調に推移するものの、北米地域での半導体工場建設に関する需要の一服感や、一部地域での停滞が継続していることもあり、前年を下回るものと予想します。一方、電子材料分野については、半導体の市場回復や在庫調整の改善により緩やかな需要回復を見込みます。自動車生産については、国内は減少するものの、世界的には半導体不足解消の反動が続き、増産を予想します。建築土木分野においては首都圏における都市再開発の継続等により、堅調に推移すると予想します。
       このような環境の中、米国および国内における半導体工場建設への投資は高い水準にあるものの、前年には及ばず、事業成長に伴う減価償却費や人件費等の固定費の増加を見込み2025年3月期の連結業績見通しについては、以下の通り予想します。       

      2025年3月期
      見通し(百万円)
      2024年3月期
      実績(百万円)
      前年同期比
      (%)
      売上高 87,000 87,426 -0.5
      営業利益 12,000 15,576-23.0
      経常利益 12,100 16,076-24.7
      親会社に帰属する当期純利益 8,500 11,382-25.3

        引き続き、当社グループの持続的な成長に向けて業務のデジタル化と人材育成に注力し、付加価値の創造に努めてまいります。
        株主の皆様におかれましては、今後とも旭有機材グループの成長にご期待頂き、変わらぬご支援、ご鞭撻を賜りますよう よろしくお願い申し上げます。



      2024年5月15日 代表取締役社長執行役員 中野 賀津也