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比類なき品質を提供するために常に進み続ける

Pine Industrial Materials Co., Ltd. 代表取締役社長 イティナイ・インシリ(Ithinai Yingsiri)氏

Pine Industrial Materials Co., Ltd. (PIM) は、鋳物用レジンコーテッドサンド(以下RCS)の世界トップメーカーを目指すタイの会社です。2005年の設立以来、PIMは旭有機材と協力して最先端の生産プロセスを活用してきました。今回は、PIMがどのようにタイ国内外に市場トップクラスの品質を提供しているのか、代表取締役社長のイティナイ・インシリさんにお話を伺いました。

10年で小さな会社からマーケットリーダーに

弊社のルーツは1989年にさかのぼります。同年、親会社であるPINE-PACIFICが、日本、中国、英国などから原材料を輸入し、タイの鋳物工場に供給する貿易会社として設立されました。その後の10年間で、事業範囲を生産とエンジニアリングまで拡大する必要性が明らかになり、2005年に鋳物工場向けの再生砂とRCSの生産を推進する新会社としてPine Industrial Materials Co., Ltd. (PIM)を設立しました。

RCSの潜在的なビジネスチャンスの大きさを示す一例が、タイの自動車製造業です。タイは当時から世界最大級の自動車生産国で、その後も成長を続けており、現在は市場のトップ10に入り、年間約200万台の自動車を生産しています。自動車メーカーは鋳物工場にとって主要な顧客であり、鋳物工場には原材料が必要です。大きな潜在的顧客基盤があることは分かっていましたが、ほぼゼロからスタートしなければなりませんでした。また、技術的にも難しい課題を伴う大規模な事業となるため、私たちのビジョンを実現する技術力と、この分野での優れた実績を持つパートナーとの協力が必要でした。

2005年時点で既に、約50年の業界経験と専門知識を蓄積していたのが、旭有機材です。業界において確固たるプレゼンスを確立しているだけでなく、生産・品質保証プロセスを通じて品質面でも市場をリードしていました。また、旭有機材が研究開発とイノベーションによる継続的な改善を重視していることも、弊社にとって重要なポイントでした。

旭有機材は、非常に高い水準で樹脂を製造しており、当初から幅広い技術サポートを提供してくれました。その結果、より低い樹脂含有量で、競合製品と同等の強度をもつRCSの製造を実現することができました。旭有機材の樹脂は、競合製品と比較して同じ樹脂量で使用した場合のガス発生量が少ないこともあり、より欠陥の少ない鋳造をサポートできる製品提供が可能になりました。この品質を重要な差別化要因とすることで、弊社が市場に与える影響はたちまち大きくなり、わずか10年で売上ゼロからマーケットリーダーへと成長しました。

PIMはマーケットリーダーとして、タイの暑い気候でも製品の品質を保ちながら幅広い顧客ニーズに応える、効率的で適応性のある物流システムを開発してきた

緊密な協力関係のもとに築かれた品質

旭有機材は、20年前にPIMが設立されて以来、包括的なサポートを提供してくれる信頼できるパートナーです。技術協力の面では、生産プロセスの立ち上げに必要なあらゆる情報を共有してくれました。現在弊社のタイ工場では、旭有機材が80年にわたって培ってきたノウハウが生かされています。このような効果的な協力体制の背景には、過去20年におけるテクニカル・コーディネーターのタイ駐在があります。現地にテクニカル・コーディネーターがいることで、両社間において、技術およびビジネスの最新情報を常に交換することができるのです。旭有機材からの直接的なサポートは、生産面だけでなく、他の分野でも重要です。たとえば、弊社には日本の顧客が多くいますが、テクニカル・コーディネーターがビジネスと文化の両観点から貴重な見識を与えてくれるため、お客様のニーズに適切に応えることができます。

旭有機材の包括的なサービスを通じて、市場をリードする樹脂や生産工程を導入し、これらの資産を効果的に活用する技術的なノウハウにより、お客様に他と差別化された製品を提供しています。また、テクニカル・コーディネーターが駐在しているため、何か問題が発生した場合でもすぐに対応してもらえる安心感もあります。

PIMと旭有機材とのパートナーシップの鍵は、緊密な協力関係にある。日本のテクニカル・コーディネーターがタイに駐在することで、シームレスで迅速なコミュニケーションが可能になっている

常に一歩先を行くために進化し続ける

旭有機材の絶え間ない改善への取り組みが、20年前に協同することを決めた大きなきっかけでした。弊社はこれまで素晴らしい成果を上げてきましたが、競合他社もまた改善に努めているため、立ち止まるという選択肢はありません。市場をリードする品質こそ、私たちがお客様に提供する価値の中核であり、価格だけの競争は弊社のビジネス戦略に合致しないと考えています。そのため、常に工程や製品を革新、改善している旭有機材は、理想的なパートナーなのです。

弊社はタイ市場において主導的な地位を確立するために懸命に努力してきました。そして、強固な地位を築くためには、ともに革新を続けることが鍵となります。旭有機材はタイに直接の窓口があるため、常に効果的な連携をとることができます。今後、このコミュニケーションをさらに強化していくことが、お客様のニーズに合わせて新たに進化していく上でさらに重要になると思います。

旭有機材は、常に新しいイノベーションの提案と導入に積極的です。5年ほど前には、新タイプのRCSであるヘキサパス™を弊社製品用に採用しました。このRCSは、同じ樹脂量で使用した場合、従来品よりもガスや臭気の発生が少ないため、鋳造工程におけるそれらの放出量を削減できます。ガスの削減で最終製品の品質が向上するだけでなく、臭気の低減効果により、鋳物工場が周辺地域に与える影響も緩和されます。このように、旭有機材は、お客様が日々直面する主要な課題へのソリューションを、率先して提案してくれます。

この製造ラインでは、お客様の鋳物砂をRCS用の高品質な再生砂にリサイクルしている。鋳物系副産物の再利用化に加え、焙焼工程で発生する熱を砂の乾燥に再利用することで、環境負荷の低減を実現している
PIMでは、抗折力自動測定機などの機器を使用して、すべての製品が厳格な基準を満たしていることを確認している

旭有機材とのパートナーシップにより、弊社は操業当初から目覚ましい成長を遂げることができました。タイにおける鋳物砂とRCSのリーディング・プロバイダーとして、確固たる地位を強力な基盤の上に築き上げるため、弊社と旭有機材は共に歩んできました。今後もこの協力関係のもと、既存顧客との関係を強化し、新たなビジネスチャンスをつかむために事業を拡大しながら、さらなる品質の向上を追求していきたいと思います。

お客様情報

Pine Industrial Materials Co., Ltd. (PIM) 様 代表取締役社長 イティナイ・インシリ(Ithinai Yingsiri)

2005年に設立され、鋳物工場向けに高品質の再生砂とレジンコーテッドサンド(RCS)を提供することで、タイの世界的な鋳物ハブとしての役割を支えている。品質へのこだわりと高度なカスタマイズにより、顧客が安心して使用できる製品を提供し、さまざまなニーズに対応する80種類以上の配合を用意している。高性能技術と強固な品質管理を基盤として成長を続け、現在、タイにおけるRCSの販売シェアの約40%を占める。