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管材システム事業
<樹脂バルブ、パイプ、継手およびエンジニアリング事業等>
●耐食問題の解決と樹脂管材の機能性を追求した製品開発により、お客様へのお役立ちに貢献する営業活動を推進
・ 国内の樹脂バルブ等の基幹製品は、国内では継続して在庫水準の健全化が進行したことなどにより、緩やかに回復
・ 米国において需要が非常に高水準であった前年度に対し、2025年度以降に半導体工場建設への投資延期や見直しが進む
・ 中国において液晶案件の投資延期や流通における在庫過多の影響により需要が停滞
・ それらの結果、売上高は前年同期比減収
・ 樹脂配管材料等を用いたエンジニアリング事業は、新規の半導体関連プロジェクトを着実に取り込み、前年同期比増収となりました
<半導体製造装置向けのダイマトリックス製品>
●半導体製造工程の高度化に対応した小型精密バルブを開発し、半導体の高度化に貢献
・ 日本・中国における半導体製造装置の需要が回復し、堅調に推移
<利益について>
・ 売上高の減少に加え、修繕費や労務費、減価償却費等の固定費増加の影響により、減益
売上高 |
522.9億円 |
前年同期比 -9.0% |
営業利益 |
90.5億円 |
前年同期比 -33.9% |
営業利益率 |
17.3% | |
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樹脂事業
<電子材料製品>
●電子材料製品の低メタル化技術を追求し、半導体の高度化に貢献
・ 国内はセンサー、パワー半導体などのレガシー半導体向けフォトレジスト材料の需要回復に加え、生成AI関連の後工程向け材料も需要が拡大
・ 中国でも液晶・有機ELなどのFPD(フラットパネルディスプレイ)分野の需要が旺盛
・ 2024年7月に竣工した愛知電材第二工場は、第4四半期より売上に寄与を開始
・それらの結果、売上高は前年同期比増収
<素形材料製品>
●自動車や建設機械等に必要な鋳物製品の製造において、多様な鋳造工程に最適な製品を提案することでお客様へのお役立ちに注力
・ 国内では、原料価格変動に対応するため価格改定を実施しつつ、高付加価値品への切り替えなどの提案営業を推進したが、国内自動車生産台数は前年を下回り、前年同期比減収
・ 海外では、中国、インド、メキシコでは自動車生産台数が前年度を上回り、前年同期比増収
<発泡材料製品>
●現場施工により最終製品となることから、施工品質向上に向けた取組みにより、お客様への安心・安全を提供
・ 現場発泡断熱材においては住宅および建築工事の着工の遅れによる物件減少
・ トンネル掘削用の土木材料においては、受注済物件の一部工期遅れ等により出荷量が減少
・ それらの結果、売上高は前年同期比減収
<利益について>
・ 断熱材の吹き付け施工を行う子会社のランドウィック社にて、前年度は大型物件を受注していた影響や、素形材事業における国内自動車生産台数の減少による減収に加え、減価償却費、労務費等の固定費の増加が影響し、前年同期比減益
売上高 |
230.5億円 |
前年同期比 +3.5% |
営業利益 |
11.2億円 |
前年同期比 -26.8% |
営業利益率 |
4.9% |
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水処理・資源開発事業
<水処理事業>
●水処理設備や水資源を有効に活用できる水再生システムを設計・施工
・ 官庁、民間工事案件が共に順調に進捗し、工事完工件数も増加し、前年同期比増収
<資源開発事業>
●地熱発電の蒸気井などの掘削や温泉開発工事を行い資源の有効活用に貢献
・ 温泉掘削工事は工事進捗の遅れ等があったが、地熱掘削工事は大型案件が計画通りに完工し、前年同期比で大きく増収
<メンテナンスおよび薬剤事業>
●施設や設備の安定稼働を支えるサービスや水処理薬剤を提供
・ メンテナンス事業は、複数の修繕工事が順調に進捗し、前年同期比増収
・ 環境薬剤事業は、製品出荷量の減少により、前年同期比減収
<利益について>
・ 設備工事や修繕工事が順調に進捗し、特に大型の地熱掘削案件が計画通りに完工したことにより前年同期比増益
売上高 | 98.2億円 | 前年同期比 +27.7% |
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営業利益 | 7.7億円 | 前年同期比 +56.2% |
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営業利益率 | 7.8% |
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3.今後の見通し
2025年度は、米国の関税政策や中国経済の減速といった外的要因により、不透明感が継続する見込みです。一方で、国内の設備投資は人手不足の影響を受けつつも、堅調な需要に支えられ、回復基調を維持すると見込まれます。
このような状況下、当社グループの事業範囲における経済活動は、国内外の半導体分野における工場の新設及び増設や 半導体製造設備への投資は、半導体生産の自国主義が継続する事から堅調に推移するものの、北米地域においては関税政策をめぐる不確実性の高まりや一部地域で停滞感があり、企業の設備投資についても慎重な姿勢が継続すると見通しています。
電子材料分野は、半導体市場の回復に伴って緩やかな需要回復が期待されます。自動車分野では国内生産が減少する一方、世界的には増産傾向が継続する見通しです。
こうした事業環境のもと、米国および国内における半導体関連投資は高水準を維持しつつ、全体では前年並みとなる見込みです。また、将来の持続的成長に向けた投資を拡大する方針であり、戦略投資や人的資本投資により固定費が大幅に増加することに加え為替の影響等により、2026年3月期の連結業績につきましては、以下のとおりと予想しております。
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2026年3月期見通し (百万円) |
2025年3月期実績 (百万円) |
前年同期比 (%) |
売上高 |
85,000 |
85,162 |
-0.2 |
営業利益 |
9,000 |
11,121 |
-19.1 |
経常利益 |
9,100 |
11,250 |
-19.1 |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
6,400 |
7,624 |
-16.1 |
なお、株主の皆様への一層の還元を図るべく、株主還元方針を変更いたします。
これにより2025年度の配当は、年間で前年比10円増となる120円(中間配当:60円、期末配当:60円)を予想します。
引き続き、当社グループの持続的な成長に向け、業務のデジタル化と人材育成に注力し、さらなる付加価値の創出に努めてまいります。
株主の皆様におかれましては、今後とも旭有機材グループへの変わらぬご支援・ご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
2025年5月15日
代表取締役社長執行役員 兼 CEO
中野 賀津也